私が庭盛会会長として2022年から進めてきた九つ井宇庵の露地修復プロジェクト。一昨年の編笠門補修と昨年の茶室茅葺き替えは当ブログでもご紹介してきましたが、実は、最初期に着手していたのは伝統的な竹を用いた暗渠排水の新規設置講習でした。
内露地の茶室前に水琴窟が仕込まれた雰囲気の良い蹲踞(ツクバイ)があるのですが、随分前から排水不全を起こしていて雨が降るたび前石まで水が溢れるので、敷地を横断する暗渠排水を新たに手掘りして敷地外に排水しようという試みです。
最初の計画だったものの施設側の要請で編笠門と茅葺を優先する事になってしまい、それぞれがまた大掛かりな計画だったので事前準備にも時間を費やし、会員の皆も年々忙しくなってくる中で予定の調整に四苦八苦しながらもついに先日、実に三年越しに開通させる事が出来ました。延べ約30m、最深部で地下1.7m、もちろん全て手掘りです!掘り出した土が果たして何十m3になるのかもう考えたくもない💧でもこれでどんな大雨でも水を逃し切れるでしょう。常に清浄さを求められる蹲踞をあるべき状態に保つ、施工後には全く痕跡が伺い知れなくなるものの重要でありこれまでで最大でもあるプロジェクトでした。


この暗渠排水開通を以て、庭盛会による九つ井宇庵の露地修復プロジェクトは終了となります。自分が始めた事を、前年に会長職を辞しているとはいえこの手で完了に漕ぎ着ける事が出来て、これでようやく胸の支えが取れました。九つ井宇庵と庭盛会に感謝を。会長としてこの露地に関わらせて貰った三年間で、大袈裟でなく人生が変わりました。




この三年とちょっと、宇庵の事を考えない日は一日も無かった。けどそれも終わりなんだなぁ・・・
よし、先へ進むか!
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