2024-12-13

編笠門の設計施工 

 以前崩れ積みを施工したお庭に、露地門の一種である編笠門を施工致しました。一口に編笠門といっても様々な形状がありますが、梁と桁で屋根を支える構造の武者小路千家の官休庵にある本歌をお手本にしています。

名栗丸太の柱・梁・桁と、カイヅカイブキの小屋組製作の様子

 親柱と控え柱は栗丸太を釿(ちょうな)ではつり、親柱はアンカーで束石に固定、控え柱は地際を銅板で保護してあります。桁・梁も同じく名栗丸太。湿気に強いクリ材は庭仕事で重宝します。小屋組の垂木と棟木にはカイヅカイブキ材を使っています。量があまり取れないので建築分野ではあまり聞かない材ですが、赤身は耐朽性が強く良い木材です。伐採で出たカイヅカイブキの白太をはいで用いました。

オギ茅の化粧天井・吉野産杉皮葺きの屋根施工の様子

 化粧天井は茅葺屋根に使われていたオギを敷き並べて上から漆喰を落とし、屋根材は奈良県の吉野杉皮を用いました。杉皮の表面を剥いで綺麗な楕円になる様に注意しながら葺き、棟は素丸瓦で仕留めて屋根の完成。小屋組は全て置場の小屋で製作しました。

梅喧垣と本三和土を施工して完成

 足元の三和土は愛知の赤サバ土と消石灰・ニガリを叩き締めた本三和土を打設しました。ほんのりと赤みのある柔らかい表情です。両端の梅喧垣は名栗丸太にカイヅカイブキの立子、全体的に統一感のある材料選びを意識しました。これが露地であれば結界として木戸を設けるのですが、ここは母屋と畑の中間地点であり実用的な生活動線であるため不要とし、これでニワヤ小谷の編笠門が完成となりました。

 露地の内と外を仕切る結界としての中門が出来た事で景色に良い意味での緊張感が生まれ、草木や庭石たち自然物と自然素材からなる人工物の対比は、調和しつつもお互いを引き立てる相乗効果を産みます。自然山林に囲まれた広大な空間の中に、ささやかながら庭めいた色彩が入りました。

和風庭園の作庭工事に調和する庭門や露地門の設計施工はニワヤ小谷にお任せ下さい。 お問い合わせはこちら

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