茅葺きの四阿設計施工
伝統工法と屋根葺きの技術を集め、お庭の片隅に茅葺きの四阿を設計施工させて頂きました。
粘土捏ね・茅刈り・柱材買い付け、材料段取り





最初は下準備と各種材料集めです。実寸大の模型を現場に置いてお客様と設置具合を共有し、真壁に塗る粘土を練って数ヶ月寝かせ、神奈川県某所の茅場で茅を刈り取り、県産のヒノキ丸太を皮付きで仕入れてきました。
石場建て工法による蛭川御影の石畳設置工事





床面は西湘の寺院で使われていた蛭川御影と木曽石の石畳を施工しました。柱の基礎になる四隅は石場建て工法で、割栗石と砕石を交互に30cm以上入れてしっかりと突き固めます。長年踏まれてきた御影石は表面が摩耗して角が落ちていて、目地無しなので全体的にも柔らかい雰囲気を出しています。
通し貫と蕪束、宝形屋根の躯体施工の様子








神奈川県産のヒノキ丸太をマサカリと曲面カンナで製材して柱を立て、厚み1寸の通し貫に、梁・桁を渡り腮(アゴ)で組んでしっかり固定。強く押せばまだ揺れますが、重量が増す事に強度・安定性が増すのが伝統工法の〝総持ち〟の考え方なので心配は要りません。屋根は縁が正方形の宝形なので、中心の蕪束(カブラヅカ)を八方からの叉首(サス)で支える構造。化粧天井は葦簀の漆喰落としです。
茅葺きの様子






屋根組の躯体は梢丸太と真竹を藁縄で結えるのが本来のやり方ですが、今回は屋根裏が化粧天井なので工夫しました。刈った茅を捌いて束ね、四面で厚みを揃えながら軒から一段づつ葺いていきます。棟まで葺き上がったら板金で抑え、骨董品の平釜を被せて屋根葺きの完成。
全景




腰掛や土壁など内部の造作を除き、全体的な工程の完了です。強度も申し分無く、ヒノキ・クリ・茅たち草木素材と平釜のコントラストが良い味を出しています。莫大な手間が掛かりましたが、天然素材と手仕事の集大成しか発せない存在感があります。
屋根葺きを指導して下さった富士茅葺き建築 茅吉さんはじめ何ヶ月も手伝ってくれた仲間達には感謝が尽きません。そして手強くも面白い難工事をやらせて頂いたお客様、温かく見守って頂き誠にありがとうございました。









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