45年前に作られた大谷石の擁壁が土圧に押されて部分的にずれていたので、危険な箇所まで上から全て外して積み直しました。大昔の施工は鉄筋を入れるといった補強措置が何もなされておらず、解体していても場所によっては手で動かせてしまうほど危険な状態でした。ちなみに現在の建築基準法では、大谷石擁壁は不適格とされています。
同じ様に積み直すのは危険なので、鉄筋を埋設して補強措置を取りました。本来は縦横に入れるべきなのですが、基礎から立ち上げていない縦筋では部分的な加圧で全体が傾く危険が生じるので、横一列に一段ずつ鉄筋を流して連結させ、加圧に対する強度を高めるとともに壁全体への影響を逃す様にしました。一番上の笠木だけは横筋だけだと外れ易いので、下の段から鉄筋を立ち上げて接着しています。大谷石の寿命は2〜30年程度とも云われていて、場合によっては解体の衝撃で割れてしまう事も懸念していましたが、表層が剥がれた程度で全て同じものを再利用する事ができました。
アイアンのフェンスも朽ちてボロボロだったので、新品のアルミフェンスを新設しました。流石に以前と全く同じ形状のものではありませんが、これを機にフェンス全体の直しも検討なさるとのことで、新しいフェンスに満足して頂けました。