茅葺きの四阿設計施工 完成、〝茅石亭(ちしゃくてい)〟
茅葺き屋根を仕上げてからしばらく間を空けていた茅ヶ崎の四阿施工を再開、腰掛の造り付けと三面に土壁を塗って仕上げました。
腰掛の造り付け



ヒノキ材に名栗模様を付けた座面を繋がらないL字に取り付け、座った時背中を壁土で汚さない様ケヤキの一枚板で背もたれをあつらえました。座席の配置は桂離宮の卍字亭(非公開)を参考にしており、少人数でも大人数でも余裕を持って座れる様にしてあります。壁は全面的に土壁にしますが、座面の真下は着席の衝撃で土が溢れ易いので、真竹を半割りにして木賊垣調に貼り付けました。これで木工仕事は完全終了、鑿と鋸を仕舞い込むのも感慨がひとしおです。
土壁塗り
竹小舞の掻き付け


土壁の下地として、細く割った竹ひごを縦横に取り付ける〝竹小舞〟の施工が終わった様子です。これだけでもなかなか画になるなぁ、粘土を塗る前の今しか拝めない貴重な景色です。
荒壁塗り



土壁塗りは下地の竹小舞含め何段階かに工程が別れていて、これは荒壁土を塗り付けた様子です。何年か前、同じく茅ヶ崎市内にて納屋の解体があり、そこで貰ってきた壁土に藁スサを加えて練り直し、半年以上寝かせていた粘土を使用。出所は確かめようが無いけど良い土だな。自然素材は何度でも再利用が出来る、最高のエコ素材です。
荒壁を塗り終えたら半月〜一ヶ月ほど養生期間をあけ、しっかりと乾燥させます。

中塗り・仕上げ



荒壁塗りからおよそ一ヶ月、しっかりと乾燥してひび割れた荒壁に中塗りを施工します。荒壁土に混ぜたものより細かい藁スサと左官砂を粘土に混ぜて中塗り土を作り、一日目は剥き出しの貫を隠す貫伏(ぬきぶせ)と、ひび割れを塞いで全体の不陸(ふろく)を調整する〝大直し〟。そして二日目、程よく湿気の残った下地に丁寧に中塗り土を塗って仕上げとしました。〝中塗り〟の字の通り、本職の左官はこれに漆喰などの仕上げ土を塗る上塗りを施しますが、庭師の土壁は中塗り仕上げやひび割れを愛でる荒壁仕上げが多いです。この度も、草で屋根を葺き野に佇む四阿には中塗り仕上げが丁度良い塩梅。
完成、茅葺きの四阿〝茅石亭〟


ついに完成、石畳の上に建つ茅葺きの四阿だから茅石亭、ちしゃくていと読みます。お施主様にお許しを頂き、初めて自分の仕事に銘を打ちました。本当はもう一つ由来が有りますが、お施主様のプライバシーに関わるのでそちらは内緒。一通り様子を確認しましたが外観も収まりも申し分無し。
茅葺きの四阿施工は庭師の仕事なのかと問われた事もありますが、石工・大工・屋根屋・木工・左官、それぞれに本職は居るけれど、この仕様を通しで作れるのは庭師しか居ないのではとお答え出来ます。やった事というのも石と草木と土を使った空間作り、庭づくりの心境で違和感なく最後まで取り組みました。まさかの茅焼失という災禍にも見舞われましたが、大勢の人に助けられて乗り切りました。ニワヤ小谷の茅葺きの四阿作庭記、これにて堂々の簡潔です。












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