大津垣延べ25mの設置工事
湯河原吉浜にて、古くなった建仁寺垣に替わり大津垣を設置しました。高さ6尺(約1.8m)が17mと5尺(1.5m)が8m、それぞれ間柱を隠して割竹を強調した一枚物で仕上げております。伝統的な作庭技法の竹垣ですが、適切に施工すれば現代住宅にも充分に調和してくれます。
施工前
天然材の可能性
十数年前に別の業者が施工した建仁寺垣がほぼ風化しており、一部はお施主様が取り付けたつっかえ棒でかろうじて支えられている状態でした。天然の竹垣はおよそ7年前後で朽ちると言われていますが、こちらの様に風抜けの良い立地環境だったり、屋根を施すなど雨対策をしっかりしていればかろうじて10年保つ場合もあります。

施工中
柱の建て込み
防腐剤注入丸太を、更に表面を炙った焼き丸太を親柱に、間柱は同じく注入材の垂木を既設の単管パイプに縛り付けて垣根の土台を作ります。割竹も含め品揃えにこだわりのある材料屋に配達して貰った自然素材の材料たち。特に垣根の肝である柱には、ひと手間ふた手間の加工で天然物の風合いを保ったまま寿命を伸ばす事が可能なのです。

真竹を割って胴縁を作り、山割竹の立子を掻き付けていく


冬の良い時期に切り出した真竹を菊割という道具で六つに割り、鉈で整えて胴縁を作ります。竹を割る時のパンパーンという音が冬空に小気味良く響き、竹仕事の醍醐味を感じさせてくれます。材料が揃い次第、柱に取り付けた胴縁に6尺の山割竹を前後に編み込んでいきます。節が揃わない様・かつ傾かないよう調整しながら。途中に間柱を挟まないので傾きに気づかないまま進めてしまうと取り返しが付かず、単純なれど気を使う工程です。
完成
延べ25mの大津垣



地元小松石とボサ石の崩れ積み土留めと仕立て物のサツキツツジ



常ならぬ大雪で現場がストップしたりもしましたがようやくの完成。入り口から玄関脇にかけては高さ約五尺(150cm)、四段胴縁で延べ8m。そこから約17mは高さ六尺(180cm)の五段胴縁かつ真ん中に押縁を通した仕様で仕上げました。通常は一間ごとに間柱を挟むか、一枚物で仕上げるなら立子の竹を軽く地面に挿す事で施工の手間を省きますが、竹を接地してしまうと水気を吸ってしまうし、裏側に落ち葉などが溜まってすぐに劣化してしまうので、浮かせて仕上げる事には拘りました。
竹垣の終点は元々斜面になっていて建仁寺垣をハスにして斜面に擦り付けていましたが、お施主様の意向もあって崩れ石積みで植栽スペースを増設し、ツツジ類が豊富なこの庭にふさわしく仕立て物のサツキツツジを探してきて植栽しました。
撤去前の建仁寺垣より一尺づつ高い仕上がりで、遮蔽性と通気性そして耐朽性を高めた仕上がりの大津垣です。お施主様はもとよりお隣さんにも喜んで頂けました。











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