何年も放置して大きくなり過ぎた梅をなんとかしたいとのご相談でした。

果樹の中でも梅は特に、徒長枝が勢い良くしかも元枝から直角に近い角度で伸びるので絡まり易く、本来は樹高10mにもなる高木なのですぐに大きくなって手に負えなくなってしまいます。住宅地の庭であれば上空を走る電話線や引込み線に絡んでいるのを心配なさるお施主様も多いです。

そのような木を強く縮める場合、ニワヤ小谷ではまず太枝を仕上がり高よりかなり短い所まで切り詰めて骨格を作り直します。程よい長さの小枝はそっくり残します。そうして仕立て直した木は、全体の輪郭で考えれば凸凹した仕上がりになりますがそこは大事ではありません。残した枝はほぼ鋏を入れてない枝、つまり全て同じ条件で残せているので、成長の仕方もほとんど変わらず、より短期間でその木本来の自然樹型に戻せる様になります。

とはいえ鋸引きした分の反発で翌年は新枝が暴れますが、それは生き物である以上自然な事です。仕立て直しからおおよそ三年前後で落ち着いた樹形になります。