光悦寺垣

個人邸 茅ヶ崎市

菱形の網目模様と弧を描く様に曲げた割竹が特徴的な、本阿弥光悦が考案したとされている光悦寺垣です。数ある竹垣の中でもひときわ創作性が強く、袖垣として人気の高い垣根ですね。

今回は全て孟宗竹(タケノコの竹)作り、それもお施主様の敷地内に生えていた孟宗竹を冬のうちに切り出して使わせて頂きました。立派な母屋に合うよう高さ約160cm・長さ約220cmと袖垣としてはかなり大きめな作りにしたので、竹の肉厚さも丁度よく紛らわせられました。何よりも、その場のもので作られた構造物はやはりその場に馴染みます。

玄関脇という真の空間なので、品格のある作りにこだわりました。親柱と玉縁にそれぞれ石臼と自然石で束石を設け、組子の竹も地面から浮かせてあります。竹の格子模様には特に気を配り、一寸(約3cm)に割った竹を細かいピッチで交差させる事で、透かし垣でありながら角度によっては視線を遮断できる様にしました。格子は着物と同じ『右前』、向かって右上から左下にくる竹が手前になる合わせ方です。

遊び心に溢れた作りでありながらもきちんと約束事がある、日本らしくてとても好きな垣根です。

 

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