野焼き

 朝霧高原の茅場では、草原景観の維持と良質な茅場を保全する為に、毎年四月に地元根原区の方々と富士宮市が協力して火入れを行っているそうです。地域住民の高齢化により人手が足らず、ボランティアは助かるとの事。こちらの茅場には去年からお世話になっていて、来月にはいよいよ茅葺き講習会を控えている我々。少しでもお役に立てたらとの思いと、あとは単純に興味深々なのもあって有志一同でお邪魔させて頂きました。

 ベテランの住民さんが火を引いて回ると、バチバチと轟音を響かせてみるみるうちに火の手が上がります。我々ボランティアの仕事は延焼を防ぐ為の水撒き。噴霧器の付いた水バッグを背負い、火が収まった後に指定区画の境目あたりで燻っているボヤを消して周ります。現場仕事で鍛えている身には対して苦になりませんが、お年寄りには確かに重いだろうなぁ。それにしても、これぞまさしく燎原の火。数メートルも立ち上がる火炎が一切を焼き尽くしながら燃え進む様は圧巻の一言でした。

 他所の茅場では天候を読み違えた事により延焼し、死者が出た事もあるという危険な仕事です。当日は消防車も待機して万全の状態で開催され、誰一人怪我も無く、天候にも恵まれたのか延焼も無く、広大な区画を2時間と経たず焼け野原にして無事終了となりました。草灰により土壌も肥え、もうじき一面のススキ野原となる事でしょう。

 改めて、茅葺きとは草原と共にある生業なんだなぁ。

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