無事(?)準備も終えてついに着工日がやってきました。柱から垂木まではしっかりしているのを確認済みなので、屋根の補修に専念できます。
ぐるりを足場で囲んで、既存の屋根材や傷んだ軒材を剥がします。従業員さんが見よう見まねで直した中国産杉皮葺きの屋根、素人さんにしちゃ器用にとは思うものの、やはり編笠門の屋根では無いな。晒し竹の天井を残して全て剥がしました。
広小舞・淀には雨保ちを考えて青森ヒバを取り寄せ、四面鉋仕上げして貰ったものを用いました。安くはない木材ですが、ここが長保ちしてくれれば次の葺き替えでは杉皮の事だけ考えておけば良くなるから、手間もお金もしっかり掛ける事で長い目で見れば安上がりになると思っています。この門ならではの膨らみを出す為に野地板も苦労しましたがどうにか張り付けて、下地の第一段階は完成!
続いていよいよ杉皮葺きに取り掛かります。葺き足一寸五分(約4.5cm)、つまり一段重ねても4.5cmしか上がりません。とてつもなく手間のかかる屋根なんです。一枚一枚しっかり釘留めしていき、最終日が1日雨になりそうだと判明してからは昼夜を徹して推し進めていきました。
どうにか雨が降る前に棟瓦を載せる事が出来ました。
流石に袖垣までは間に合わなかったのと、ようやく届いた昔の宇庵の資料を見直してちょっとした手直しが必要だと分かったので、本当の仕上がりは後日になります。とはいえ、まずは屋根を葺き終えた事でちょっと一息つけました。今回は寸法出しや材料拾いから任せて頂き、冷や汗かきながら段取りを組んだ仕事だったので感慨もひとしお。。。
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