続・柱の加工

 今日は現場を入れず、来月予定しているつくばいの筧(かけひ)取り替えに備えてクリ丸太を加工していました。その時々での流れというものがあって、今年に入ってから春の光悦寺垣に始り、こないだ完了した庭盛会の編笠門葺き替えや冬に仕事で予定している編笠門作り、更にはやはり庭盛会で来春に予定している茅葺葺き替えと、不思議と大工仕事が途切れず続いています。何処からのご縁なのかは判らずとも、有り難く受け止めつつ身を委ねるのがニワヤ流。

 筧といえば、竹柱に竹樋を差したものやこまがしらを用いたものがよく見られますが、私は名栗柱に竹樋を差したものをよく作ります。木柱の安定感のみならず名栗模様の控え目な装飾性も良く、クリ柱は腐朽に強いから竹樋を差し替えるだけで露地に新鮮さが蘇るので、この形をとても気に入っております。今回は外構空間に囲まれた坪庭に設けるので、手仕事の柔らかさが表れる名栗目は付けず、天端を兜巾(トキン)に切って曲面カンナで面取りしただけの硬い雰囲気で留めました。仕上げにセメントを塗って灰汁出しすると、クリに含まれているタンニンが反応して驚くくらいに色が変わり、落ち着いた渋い色合いに仕上がりました。

横樋の竹も切り出してきて下準備は完了!あとは編笠門用の柱や梁の刻みが控えています。そっちは急ぎ仕事じゃ無いとはいえ、当初予定していた材を刻んでみて、悩んだ挙句違う材に変更、、予定では10月中には柱を建てて梁まで載せ終わっているはずが、材を仕入れ直して改めて刻んでいる段階なので、ちょっとそわそわし始めて来ました。もうしばらくは小屋のおが屑が途切れ無さそうだなぁ。。

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