




昨年末から進めていた露地の作庭が完了しました。
主に手掛けた前庭は、玄関までのアプローチであり茶室のにじり口に面した空間でもあり、お施主様の意向で改築後もヤマモモが一本だけ残されていました。作庭前の打ち合わせで求められたのは『織部燈籠とつくばいのある市中の山居』。
関東の各地から集めた石造品・飛石・自然石を用いて庭の骨格を作り、残されたヤマモモを主として植栽はあえてありふれた樹種で木陰を作り、足元には苔を敷き詰めて落ち着いた空間に仕立てました。
植木屋が一番バタつく年末年始を挟んだのとコロナの皺寄せでたびたび工期が伸びてしまったのですが、建前を担当した建設会社の担当さん・お施主様とも初対面の私の遣り方をとても尊重して下さったのはとても申し訳なく、そして有り難い事でした。そうなるとこれも人情、私達の様な職人って受注金額以上に力を入れたりするんですよね(あまり大きな声では言えませんが)。
時期的なものや材料そして人との出会いが合わさり、お施主様にとても喜んで頂ける空間に仕上がりました。
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