板塀・庭木戸

石工仕事と左官仕事が落ち着いて大工に仕事に入っています。色々な顔を持っているのが庭師の強みなのかもしれませんね。

お隣との境に杉板と檜柱で編み込み板塀を作成しました。洋風ウッドフェンスでよく見られる意匠ですが、大津垣という昔ながらの竹垣も割竹を使っての同じ意匠が見られます。和洋を超えて繋がるデザイン、とても好きな塀です。柱の足元には銅板を巻いて防腐対策も万全に。

露地と裏庭との境界には庭木戸を建て付けました。

こちらの柱には耐久耐湿性に(そしてお値段的にも)優れたクリを使いました。皮付きの原木を仕入れ、皮を剥き、白太と呼ばれる腐りやすい丸太の表面部分を釿(ちょうな)という昔ながらの刃物で叩き削り(斫る=はつる と言います)、独特の削り模様が付いた名栗柱を作ります。綺麗に斫って行けば和風建築に使われる高級な柱になりますが、庭で使うのでざっくりした仕上げに留めます。

扉は当初は竹を編んだ涼しげな枝折戸にする予定でしたが、ここまで作ってきた庭の空気感とお施主さんが嗜んでおられる茶道の趣きを考慮して、シンプルで無骨な木戸を作成する事にしました。急な仕様変更でしたがお施主さんも二つ返事で快諾して下さったのは嬉しかったですね。

ここまでで作り仕事は完了。お施主さんとの一体感も高まってきています。

次はいよいよ仕上げ、植栽工事に続きます。

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