ゴールデンウイーク

新型コロナウイルスの猛威により自粛を求められるゴールデンウイークでしたが、皆様はいかがお過ごしでしたでしょうか。

例年のゴールデンウイークであれば何泊かキャンプしたり遠出したりしますが、今年は他県へ遊びに行くのは辞めて家族と近場で楽しく過ごしました。鎌倉のハイキングコースを散策しながら由比ヶ浜まで行ってみたり、新しい自転車を試しがてら親水公園でサイクリングしたり。子供の日には息子等にそれぞれ選ばせた鉄扇を飾って柏餅を頂き、現場で出た端材を使ってようやく我が家の門壁を仕上げたりと、それはそれで楽しく!

  

それなりに楽しいゴールデンウイークを過ごしていた最中のある夜、お施主様より一通のメールが届きました。

三年前に鎌倉で開業し、それに合わせての作庭からこれまでずっと庭に関わらせて頂いていた飲食店さんから、四月末日をもって閉店したとの知らせでした。関係各所への一斉送信などではなく、これまでの庭仕事に対する労いや打ち切りになる年間管理契約の精算についてなど、ご自身こそ大変だろうにこちらの事を配慮したとても丁寧なメールでした。

こちらのお庭は。。初めて木バサミを握ってから10年余り・独立して暫くして実力に行き詰まりを感じ、一から自分を鍛え直し始めてから初めて作庭した、仲間や様々な人達の助力によって完成した和風の庭。苔の管理など最低でも月に一度は入り、過去にブログでも紹介しましたが冬には敷松葉や雪吊りをあつらえ、正月には松飾りを設けさせて頂いていました。この作庭とその後の管理を通じ、庭師と名乗り生きていく覚悟を頂いた、私にとって重い意味のあるお庭でした。

身内や友人知人、直接的な面識のある繋がりからこれまで一人も感染者が出ずにやってこれた自分ですが、ここにきて初めて新型コロナウイルスとそれに追従する潮流に何かを奪われるという衝撃を受けました。もちろん苦渋の決断をなさったお施主様には遠く及ばないものですが、なんとも云えない空虚感・喪失感・・・この感覚は数年前に仲間と東北の庭園を見に行った折、福島第一原発のあたりに立ち寄った時に受けた衝撃と同種のものだなと。当時で震災から五年以上経過していて、テレビなどからなんとなく感じられた復興ムードとは裏腹に、津波の爪痕そのままに全く復興の進んでいない現地の様子。当たり前に在り続けると盲信していた日常の崩壊というのか、何かに裏切られたような思いを味わったものでした。

震災から10年経った2021年。おそらく去年と今年も『あれから〜年経ち』と振り返られる年になるのでしょう。でも、何年経とうがかつて鎌倉に三年程開いていたうどん屋さんがあり、その庭に関わらせて頂いていた事を私が忘れる事は無い。

  

鎌倉うどんダイニング波音 様、三年間お疲れ様でした。本当にありがとうございました。

  

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