講習会

庭師は日々の勉強も肝心!置場に籠って一人で試行錯誤するのもとても大事です。が、それだけではどうしても限界があり、独立後しばらくして日本庭園協会神奈川県支部という組織に入会しました。

ここはよくある組合や互助会では無く、年に数度の技術講習会や庭園見学会を通じて参加している庭師の力量と感覚を磨き高めるのが目的の、いわば塾の様な組織です(少なくとも私はそのつもりで所属しています)。

数年前から小田原市郊外の総世寺というお寺さんの境内を使わせて頂き、全国から名匠をお招きして広大な石畳や手の込んだ竹垣・つくばいなど伝統的な庭園景観物の創作について手ほどきを受けたり、或いは自分達で工法を検討しながら講習会を開催しています。写真はいくつもの創作物の中の一例ですが、近年はここまでの伝統庭園を手掛けられる機会も少なく、例えば土塀など私は会社勤めの頃からここまで一度も携わった事が無く、大変貴重な時間を過ごさせて貰っています。

『今はもう作庭仕事なんて無いでしょう』

悲しいことにこれはお客様より同業者からよく言われるセリフなんですね。でもこの講習会では、お茶の時間には皆が楽しげに最近自分が手がけた庭づくりについて語らっています。仕事でなくとも庭に結び付く時間が多く、そして自然と庭仕事がある・そういう流れにいるこの人達の事を現代では庭師と呼ぶんだろうな。そして私もまたその端くれであると自負しております。

御歳八十になる巨匠から言われた事があります。『死ぬまで勉強だよ』と。勉強とはつまり、“体験し、研鑽し、修得する”事だと私は思っています。これを楽しみながら、歳を取っていくのが私の目標。

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